ゴキブリとの直接対決を避けるための賢い選択、それが「ゴキブリホイホイ」に代表される粘着トラップです。しかし、この平和的な解決策は、時に私たちに、想像を絶するほど凄惨な光景を突きつけることがあります。トラップを確認した時、そこには、もがき苦しんだ末に力尽きたゴキブリが、無残な姿で張り付いている。この光景を目にしてしまった時の精神的ダメージは計り知れません。しかし、これを放置することは、さらなる害虫を呼び寄せたり、アレルゲンを撒き散らしたりする原因となります。勇気を振り絞り、正しく、そして自分の心をできるだけ傷つけずに処理する方法を学びましょう。まず、大原則として、トラップは中身を確認せずに、定期的に交換・処分するのが、精神衛生上最も望ましいです。しかし、もし見てしまった場合は、以下の手順で進めます。第一に、心を落ち着かせ、物理的な距離を取ること。トラップは、その構造上、ゴキブリが外に逃げ出すことはありません。慌てずに、ゴム手袋や新聞紙、そしてビニール袋を準備しましょう。第二に、トラップを「視界から消す」ことです。新聞紙やチラシなどで、トラップ全体を、中身が見えないようにぐるぐると包み込んでしまいます。これにより、処理の過程で二度とあの光景を目にすることがなくなります。第三に、包んだトラップをビニール袋に入れ、口を固く、二重、三重に縛ります。これは、内部から発生する可能性のある臭いを完全にシャットアウトするためです。そして、蓋付きのゴミ箱に捨てます。もし、トラップの周りにゴキブリのフンなどが落ちていた場合は、その場所も忘れずにアルコールなどで消毒・清掃してください。粘着トラップは、ゴキブリとの直接対決を代行してくれる、頼もしい代理兵士です。その最後の務めを、私たちが敬意(と十分な防御策)をもって、きちんと果たしてあげること。それが、このトラップを最大限に活用するための、使用者としての責任と言えるでしょう。