結婚して新しい生活を始めたばかりの私は、通販で家具や日用品を揃えるのが毎日の楽しみでした。届いた荷物を開け、中身を取り出した後の空の段ボールは、いつか使うかもしれない、あるいはゴミの日までまとめておこうと、キッチンの隅に積み重ねていました。しかし、それがゴキブリの赤ちゃんを招き入れるための、最高のホテルを建設していたことになるとは夢にも思いませんでした。ある夜、ふとした拍子に段ボールの隙間から、茶色い小さな虫が数匹、這い出してきたのを見て私は絶叫しました。それは成虫よりもずっと小さく、しかし紛れもなくゴキブリの形をした赤ちゃんたちでした。後で調べて分かったことですが、段ボールの断面にある波状の構造は、保温性と保湿性に優れ、ゴキブリが卵を産み付けたり、孵化したばかりの赤ちゃんが身を隠したりするのにこの上ない場所なのだそうです。特に、配送センターや倉庫に長く保管されていた段ボールには、すでに卵鞘が付着していることもあり、それを家の中に入れることは、文字通り害虫を招待しているのと同じなのです。私はすぐに積み上げていた段ボールをすべて外に出し、自治体の資源ゴミ回収日まで待たずに民間の回収センターへ持ち込みました。段ボールをどかした後の床には、彼らの糞らしき黒い粉が散らばっており、私は涙目になりながら何度も除菌スプレーを吹きかけ、雑巾で拭き上げました。この経験から学んだ最大の教訓は、段ボールを家の中に溜め込まないということです。どんなに便利であっても、段ボールは外からの侵入経路であり、かつ家の中での増殖拠点となります。現在では、荷物が届いたら玄関ですぐに中身を取り出し、段ボールは室内に持ち込まずに即座に解体して、屋外のストッカーに保管するように徹底しています。また、荷物が入っていた袋や緩衝材も、赤ちゃんが隠れていないか細かくチェックしてから捨てるようにしています。新生活の華やかな気分は、あの一群の赤ちゃんによって一瞬で吹き飛びましたが、そのおかげで私は害虫対策の基本を骨の髄まで叩き込まれました。もし今、部屋の隅に段ボールを積み上げている方がいたら、私は全力でそれを止めるでしょう。あの断面の暗い隙間に、何十匹もの小さな触角が潜んでいるかもしれないという想像をすることは、何よりも強力な掃除のモチベーションになるはずです。