スズメバチが嫌う匂い、特に「木酢液」や「ハッカ油」が効果的であることは知っていても、具体的にどう使えば良いのか分からない、という方も多いでしょう。最も手軽で、広範囲に応用できるのが、これらを使った「手作りの忌避スプレー」です。市販の殺虫剤とは異なり、自然由来の成分で、環境にも比較的優しく、それでいて確かな予防効果が期待できるこの手作りスプレーは、あなたの家の周りに見えないバリアを張るための、強力な武器となります。まず、ハッカ油スプレーの作り方です。準備するものは、スプレーボトル、水100ml、そして薬局などで手に入るハッカ油です。スプレーボトルに水を入れ、そこにハッカ油を10~20滴ほど垂らして、よく振り混ぜるだけで完成です。より効果を高めたい場合は、無水エタノールを少量加えると、油分であるハッカ油が水と混ざりやすくなります。次に、木酢液スプレーです。木酢液は原液が非常に強力なため、必ず水で薄めて使用します。製品によって推奨される希釈倍率は異なりますが、一般的には水1Lに対してペットボトルのキャップ1~2杯程度が目安です。これらのスプレーを、スズメバチが巣を作りやすい場所、例えば家の軒下やベランダの天井、窓枠、網戸、あるいは物干し竿などに、週に一度から二度、定期的に吹き付けておきましょう。特に、女王蜂が巣作りを始める春先から念入りに行うことで、初期段階での営巣を防ぐ効果が飛躍的に高まります。ただし、これらのスプレーの効果は、雨が降ると流れて薄れてしまいます。雨が降った後には、再度スプレーし直すことを忘れないでください。この地道で継続的な作業こそが、スズメバチに「この家は巣を作るのに適していない」と学習させ、危険な隣人が寄り付かない、平和で安全な庭と家を守るための、最も確実な方法なのです。
手作りスプレーでスズメバチを寄せ付けない庭づくり