目の前にゴキブリが現れた時、私たちはパニックのあまり、冷静な判断力を失いがちです。しかし、そんな時こそ、絶対にやってはいけないNG行動があります。良かれと思って取った行動が、かえって事態を悪化させたり、新たな危険を生んだりする可能性があるのです。まず、最もやりがちで、そして最も危険なのが「掃除機で吸い込む」という行為です。一見、直接触れずにゴキブリを視界から消せる、画期的な方法に思えるかもしれません。しかし、これは最悪の選択の一つです。掃除機の中の強力な吸引力とゴミとの衝突で、ゴキブリが死ぬとは限りません。強靭な生命力を持つゴキブリは、掃除機の内部で生き延び、ダストパックの中で卵を産み付ける可能性すらあるのです。そうなれば、あなたの家の掃除機は、ゴキブリの繁殖装置と化してしまいます。さらに、排気口からゴキブリの体についていた雑菌やフンの微粒子が撒き散らされることになり、衛生的にも最悪です。次に、中途半端に攻撃することです。スリッパなどで叩こうとして失敗し、手負いの状態にしてしまうと、ゴキブリは驚異的なスピードで家具の隙間や部屋の隅へと逃げ込みます。一度見失ってしまうと、どこに潜んでいるか分からないという、さらなる恐怖と戦うことになります。攻撃するなら、一撃で仕留める覚悟が必要です。また、素手や素足で退治しようとすることも、絶対にやめてください。ゴキブリの体表には、サルモネラ菌や病原性大腸菌など、多くの病原菌が付着しています。もし皮膚に傷があった場合、そこから菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクがあります。熱湯を使う際も、注意が必要です。動き回るゴキブリを狙って熱湯をかけると、自分にかかって大火傷を負う危険性があります。確実性が低い上に、リスクが高すぎる方法と言えるでしょう。ゴキブリ退治の鉄則は、安全かつ確実に仕留めることです。パニックになっても、これらのNG行動だけは思いとどまり、冷静に、そして適切な方法を選択する勇気を持ちましょう。