シバンムシやカツオブシムシといった、「ゴマみたいな虫」との壮絶な戦いを終え、ようやく手にした平和。この平和を永遠のものにするためには、彼らが二度とあなたの家に棲みつきたいと思わないような、徹底した「予防策」を講じ、それを習慣化することが不可欠です。彼らを家から締め出すための防衛策は、大きく三つの柱から成り立っています。第一の柱は、「食料源の完全な遮断」です。これは、彼らの命の源を断つ、最も基本的な兵糧攻めです。キッチンでは、小麦粉やパスタ、乾物、ペットフードなど、全ての乾燥食品を、購入した時の袋や箱のまま保管するのをやめ、必ずパッキン付きのガラス製やプラスチック製の密閉容器に移し替えましょう。これにより、外部からの侵入を防ぎ、万が一内部で発生しても、被害の拡大を最小限に食い止めることができます。クローゼットでは、衣類を長期間保管する前に、必ず洗濯またはクリーニングを行い、皮脂や食べこぼしといった、幼虫の餌となる汚れを完全に落としきることが鉄則です。第二の柱は、「隠れ家を与えない清掃術」です。彼らは、ホコリや髪の毛、食べ物のカスが溜まった、薄暗い場所を好みます。キッチンや食品庫の棚、クローゼットやタンスの引き出しの隅などを定期的に掃除機で吸い取り、清潔に保つことで、彼らが快適に過ごせる場所を奪います。そして第三の柱が、「侵入経路の封鎖」です。カツオブシムシの成虫などは、屋外から飛来し、洗濯物などに付着して侵入することがあります。洗濯物を取り込む際にはよくはたく、網戸の破れを補修するといった、基本的な防虫対策も有効です。この「密閉」「清浄」「侵入防止」という三つの防衛策を日々の暮らしの中に組み込むこと。その地道な努力の積み重ねが、不快なゴマ粒たちとの永遠の決別を約束してくれるのです。
ゴマみたいな虫を二度と見ないための予防策