専門業者との契約を終え、いよいよ害虫駆除の作業当日。プロに任せるとはいえ、作業をスムーズかつ効果的に進めるためには、飲食店側にもいくつかの準備と協力が求められます。駆除当日の一般的な流れと、店舗側が事前にしておくべきことについて、時系列で解説します。まず、駆除作業は、お客様や従業員の安全を確保し、通常営業に支障をきたさないよう、原則として店の営業終了後や定休日に行われます。作業時間は、店舗の広さや被害状況にもよりますが、2〜3時間程度が一般的です。作業開始前までに、店舗側でいくつかの準備をしておく必要があります。最も重要なのが、薬剤が直接かからないようにするための「養生」の準備です。厨房内の食器や調理器具、布巾などは、すべて戸棚や引き出しの中にしまい込みます。しまい切れない鍋やボウルなどは、大きなビニールシートや布で覆っておきましょう。カウンターに並べられた調味料や、露出している食材も同様に、片付けるか、シートで完全に覆います。これにより、薬剤による汚染を防ぎ、作業後の清掃の手間を大幅に減らすことができます。また、薬剤を隅々まで散布・注入できるよう、可能な範囲で厨房機器を壁から少し動かしておいたり、床に置かれた物を片付けておいたりすると、作業効率が格段に上がります。作業当日は、店の責任者が立ち会うのが望ましいです。作業員の方は、まず当日の作業内容や使用する薬剤について説明をしてくれます。その後、養生が不十分な箇所があれば指示があるので、それに従って最終準備をします。駆除作業中は、薬剤が空気中に飛散するため、基本的には店外で待機することになります。作業が終了すると、作業員の方から結果報告があります。どこで、どのような害虫が、どのくらい確認されたか、どのような処置を行ったか、そして今後の注意点などについて、詳細な報告書と共に説明を受けます。作業後は、薬剤の匂いが残っていることがあるため、窓を開けたり換気扇を回したりして、十分に換気を行うことが重要です。翌日の営業前には、調理台や床などを改めて拭き掃除すると、より安心です。
害虫駆除当日の流れと店の準備