二十年以上にわたり、一般家庭や飲食店の害虫駆除に携わってきた専門家の方に、段ボールとゴキブリの関係について詳しくお話を伺いました。専門家の方は開口一番、「私が現場で最初にするアドバイスは、家中にある段ボールをすべて捨てることです」と断言されました。その理由は、どれほど強力な薬剤を撒いても、段ボールという隠れ家が残っている限り、ゴキブリの根絶は不可能だからだと言います。専門家によると、ゴキブリは「圧触性」という習性を持っており、狭い場所に体が触れている状態を好みます。段ボールの隙間は、まさに彼らが最もリラックスできるサイズ感であり、そこを拠点に活動を広げるのだそうです。特に最近の傾向として、ネット通販の普及により、外部から段ボールと共にゴキブリやその卵が持ち込まれるケースが爆発的に増えていると警鐘を鳴らします。「お客様は、自分の家は綺麗だからゴキブリなんていないと思い込んでいますが、届いたばかりの段ボールの底や、フラップの折り返しの部分をよく見てください。そこには彼らの卵や糞が付着していることが本当によくあるんです」と語る表情は真剣そのものです。専門家が推奨する防衛策は極めてシンプルです。「段ボールを家に招き入れない、もし入れるなら最短時間で出す。これに尽きます。玄関で荷物を開封し、段ボールはすぐに外のゴミ置き場へ出すのがベストです。家の中に一晩置くだけで、潜んでいたゴキブリは冷蔵庫の裏や家具の隙間へと移動してしまいます」。また、どうしても保管が必要な場合は、プラスチック製のコンテナや衣装ケースに移し替えることを強く勧めています。プラスチックには隙間がなく、接着剤も使われていないため、ゴキブリが好む要素が皆無だからです。最後に、専門家はこう締めくくりました。「ゴキブリとの戦いは、殺虫剤の性能以上に、いかに彼らにとって居心地の悪い環境を作るかという環境的制御が重要です。段ボールを捨てるという行為は、最も安上がりで、かつ最も効果的な害虫駆除なのです」。この言葉は、日々の生活のなかで見落としがちな段ボール管理の重要性を、改めて私たちに突きつけています。
害虫駆除の専門家が語る段ボール処分の重要性