シバンムシやカツオブシムシといった「ゴマみたいな虫」は、一度家の中に定着し、繁殖を始めてしまうと、その根絶は非常に困難を極めます。発生源を特定し、汚染されたものを廃棄し、徹底的に清掃する。これが基本対策ですが、それでもなお、次から次へと姿を現すしつこい彼らに、心が折れそうになることもあるでしょう。そんな時、私たち素人が見落としがちな、プロの視点に基づいた対策や、最終手段として検討すべき方法が存在します。まず、プロが指摘する重要なポイントが、「発生源は一つとは限らない」ということです。私たちは、小麦粉の袋など、目に見える発生源を一つ見つけると、それで安心しがちです。しかし、彼らは畳の内部や、壁の断熱材、あるいは見えない家具の隙間など、複数の場所にコロニーを形成している可能性があります。もし、徹底的に清掃したはずなのに再発が続く場合は、自分では気づけない場所に、まだ本拠地が残っていると考え、捜索の範囲を広げる必要があります。このような状況で効果を発揮するのが、部屋全体を対象とした「くん煙・くん蒸タイプの殺虫剤」です。バルサンのような製品を使い、薬剤の煙を部屋の隅々まで行き渡らせることで、家具の隙間や畳の内部など、手の届かない場所に隠れている成虫を一網打尽にすることができます。ただし、これはあくまで成虫に対する効果が主であり、卵や蛹には効きにくい場合があるため、説明書に従って、一定期間をあけて二度使用すると、より効果的です。それでもなお発生が止まらない、あるいは被害が家全体に及んでおり、もはや自分の手には負えないと感じた場合は、ためらわずに専門の駆除業者に相談しましょう。プロは、我々が知らないような特殊な薬剤や、時には家全体を密閉してガスで燻蒸するといった、根本的な駆除方法を持っています。費用はかかりますが、長年のストレスと、さらなる被害の拡大から解放されることを考えれば、それは最も賢明な投資と言えるかもしれません。自力での戦いに限界を感じたら、プロの力を借りる勇気を持つこと。それが、この長い戦いに終止符を打つための、最終的な決断となるのです。
専門家に聞く!ゴマみたいな虫の駆除と対策の最終手段